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完成住宅事例 - 瀬古東の家

瀬古東の家_笹野空間設計
笹野直之

愛知県名古屋市守山区

Date / 2002年02月

構造 / 鉄骨造 地上3階

延床 / 217㎡

瀬古東の家

連鎖空間

敷地は名古屋市北部の静かな住宅地で、東と北を2メートル程の幅の道路に接している。前面の道路が狭いため、建物を道路から後退させる必要があり、敷地の大きさの割には余白の少ない条件といえる。道路からのプライバシーを守りつつ、南から光をどのように採り入れるかが敷地からくる大きなテーマだった。

様々な案を検討した結果、1階はセットバックしてガレージやクローゼットなどを配し、2階を道路側へキャンティレバーにより張り出す案を採用することとした。これによって道路からは圧迫感をなくし、内部からはプライバシーを守りつつ、周囲の景色を取り入れることができた。採光については南に対してコの字型にテラスを挟み、2階はテラスに対して掃き出しの大きな開口をとる配置とした。1階についても暗くなりがちな玄関やガレージも中庭から光を採り入れている。

機能面では施主から「家事動線を分離すること」が要望された。通常、居室と居室を廊下でつなぐ方法では廊下の面積が増えてしまうが、ここではひとつの空間を階段を中心にしてロの字型とすることにし、階段から北側を家事動線、南側を生活動線ととらえることで、通過だけの廊下をなくすことができた。家事動線の中心には家事コーナーをもってきたが、炊事、洗濯、外部との連絡(インターホン、電話、FAX,インターネット、セキュリティ)の司令塔となっている。さらにその南側にリビング、中庭、予備室が内部と外部を横断しながらもう一つのループをつくっている。

また、建物全体は縦のループを構成している。玄関やリビングを経由して2つの階段を上がると、エレベーターで降りることができる。これによって2階のテラスは3階のテラスと連動し、3階の子供室は1階の主寝室と連動する。大人数の来客があれば2つのテラスを同時に使うこともできるし、子供が鬼ごっこをすれば永遠に捕まらないことも可能だ。大きさや、採光、機能が違う空間がそれぞれ振幅しながら、曖昧に連鎖し、いくつものループが建物を有機的にしている。 配置計画は、将来の南棟増築を想定し、北側道路に建物を寄せたものになっている。

南側道路からの外観は隣家に溶け込むように控えめな構成とし、川側の外観は、1階部分をセットバックさせると共に、屋根は浮遊感を出し、周囲に対する圧迫感を軽減するように意図した。

この住宅の骨格は、螺旋階段を持つ吹き抜け空間である。この吹き抜け空間の1階には、家族のコミュニケーションの拠点となるリビングを、2階には、子供の活動の拠点となるハンヅオンコーナーを配置し、家全体の活気を集めるよう意図した。各室は、この空間に面して配置され、それぞれのプログラムに応じた度合いで、閉じながら開くような工夫がなされている。

瀬古東の家_笹野空間設計
瀬古東の家_笹野空間設計
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